「残る八つについては、所在が判明しているのが、三つ……不明が、二つ…そして、敵に渡っているのが、三つ………まずは、所在の判明しているものから手を付けるべきだろうな………」
二人は、下水道から出て、街外れを車で移動していた。
「………剣帝の息子は、どうだった……?」
「彼か……あまり、こうした言葉は使うべきでは無いのかも知れんが………天才という言葉しか浮かばなかった……彼と相対したら、俺も危ないかも知れんな………」
「………そうか……」
その時、車が止まった。
「到着しました、頭目……予定時刻まで、残り10秒………5秒…3……2……1……来ます」
車を運転していた男が告げると同時に、少し離れた海上に、巨大な潜水艦が浮上した。
「……予定通りだな……行くぞ、ガイ」
「……あぁ…………」
二人は港にやってきていた。運転手も車を放棄して、三人は潜水艦に乗り込んだ。
「……もしかすると、彼なら……多重解放を成し遂げるかも…知れないな………」
ソルのその呟きを聞いていたのは、誰もいなかった。