「戦力が集中すれば、纏めて潰されかねん……下手をすれば、仮面の男と、アイザック……二人同時に相手をしなければならないこともあるかも知れんのぉ………」


「………ゾッとしない話ですね……」


「……公王殿よ、貴方は国に戻られた方が良いのでは無いか?」



「確かにのぉ……一国の主がおらぬでは、国民も不安じゃろうし……何より、公王殿はこんなところで死んではいかんじゃろう」



「………そろそろ、潮時では無いのか…?」

「そうかも知れません………では、通り魔を捕らえたら、公国に戻らせて戴きます」


「構わんが、アテはあるのか?」


「えぇ……今夜にでも仕掛けようかと…それで、お二方にも協力して戴きたいのですが………」



「無論、我々は勿論協力しよう。なぁ、緋凰?」


「あぁ。あの三人にも手伝わせよう。その方が確実だろうしな」


「では、作戦は今夜ということで……」


「うむ。では、作戦の内容についてじゃが………」



三人はそれから夜まで、通り魔を捕らえる為の作戦の打ち合わせを続けた。そして、その夜……作戦は決行され、通り魔を追い詰めることには成功したが、下水道に逃げられてしまい、作戦は失敗に終わった。











「……統合軍の元帥の娘が、クイーンオブハートだったのか……」


「あぁ……さすがに俺も予想していなかった…だが、これでクイーンオブハートについての憂いは無くなった。放っておいても、元帥達が守ってくれるだろう。問題は、欠片の方だ………」


「……判明している欠片は、公国に保管されている四つ……」