「では、先代公王が唯一、『聖騎士号』を下賜した騎士というのは……」


「……あぁ…確かに、俺だ…」


「やはり………」


「あの………」


割って入った勇翔にソルとメタトロンが目を向けた。その二人の目力にたじろいだ勇翔だったが、憶せずに言葉を続けた。


「聖騎士号って、なんですか?」


「聖騎士号とは、フォーラム公国内で特に高い名声を誇る騎士……いわゆる、英雄と呼ばれる様な騎士に贈られる称号だよ。その発言力は国政にも影響を及ぼす為に、公王の一存では決められず、元老院の審議と大臣会の承認を経て、ようやく任命されるという最高位の称号です」


「騎士が、政治に影響できるんですね……」

「…………で、その聖騎士殿が、一体何のご用でこちらに?それも、デュラハンの頭目として……」


「俺は、クイーンオブハートを探しにここまで来た」

「……聞こうと思っていたんだが、クイーンオブハートと、ハートの欠片とは一体何なんだ?」


「……クイーンオブハート……それは、世界の根幹を形成する三聖霊のー柱、大聖母マリアのプレイヤーのことだ。そしてハートの欠片とは、その目覚めに必要な力を宿した者達だ……そして、クイーンオブハートは、この学園にいる……」


「この学園に、クイーンオブハートが……!?」



「……それは、誰なんだい?」


「……それは………」


ソルは重い口調で、話を続けた。