「極氷剣・凍牙王……剣帝に依頼された品だ。要求された品質に仕上げるのにどれだけ苦労したことか……だが、その分素晴らしい太刀が完成したと自負している」



「剣帝に、依頼されていたのですか?」


「あぁ。属性は問わないから強力な太刀を作ってくれとな。流石に疑問に思ったが、剣帝の依頼じゃ断る訳にも行かないからな。結果としては、やって良かったと思っている」



「……それにしても、この太刀は凄いですね……良くこんな太刀を……」


「これが、二種類の神器を融合させて作り出された神器だ」


「言うなれば、合成神器と言ったところか?」




「これが、そうなんですか……」


「あぁ。そいつは、永久凍土から採掘された特殊な鉱石を霊力で加工した魔剣、アイスコフィンと、霊刀、大典太光代を合成した神器だ。元から高い霊力と切れ味を誇る大典太光代をベースに、絶大な堅牢さを誇るアイスコフィンを合成することで、高い切れ味と堅牢さを両立させた銘刀を作り出すことに成功した。歴史に残る発明に携われたことに感謝している」



「……素晴らしい太刀だ。やはり剣帝の目に狂いは無かったか…貴方に頼んだのは、正解だった様だ」


「そう言って貰えると嬉しいね……それは、誰が使うんだ?剣帝はもう……」



「剣帝の息子だ」

「……へぇ…あの方に息子がいたのか…強いのか?」


「そうだな。伊達に剣帝の血は引いていない、というところだな。子供の頃から剣帝に指導されていたらしいし、才能もある」


「そうかい……ま、あの方の息子だってんなら、文句は無いな。存分に振るってくれ」


「あぁ。伝えておこう……」