「……高城技術研究所には、数年前からある研究を依頼しているんだ」


「……研究、ですか……?一体何の……」



「……神器同士の、融合だ」


「神器同士の……融合……?それは、どうゆう……」



「単純な話だ。二つ以上の神器同士を融合させて、新たに強力な神器を作り出す研究だ。その成果が出来上がったらしいからな。受け取りに行くんだ」



「そうだったんですか……ですが、何故私もご一緒する必要があるのですか?」



「あぁ……お前にも渡す物があってな」



「私に、ですか……?」


「あぁ。新訳聖書の黙示録に記述がある、死を運ぶ存在……」



「……蒼ざめし馬……ですか?」


レオンはその名を自分で口にしながら戦慄した。


それを察したのか、緋凰から話を続けた。



「……お前には、少々苦い記憶かも知れんが……必要になる可能性が出て来たのでな。お前が受領するべきだと大元帥が判断なされたのだ」




「………大元帥が……」


そんな話をしていると、エレベーターが下降を止めてドアが開いた。


「……行くぞ」


「………はい…」




二人はエレベーターから出て通路を進んだ。
通路の脇には白衣を着た研究員らしき人々が慌ただしく動いている。その他にも、管の繋がれた円筒型の装置が幾つも並んで配置されている。


そんな中を二人は進んで行った。

その先には、一際大きな円筒型の装置が置かれていた。その回りでは研究員達が装置を調整している。



その中の一人が二人に気付いて駆け寄って来た。



「お待ちしておりました、お二人とも」



「いや…急にすまなかったな、ハルベルト」