「ここから、外に出ましょう」
「え、大丈夫なんですか?」
「問題無いでしょう。後で話を通しておきますので………」
「それなら、屋上へ行ったらどうだ?わざわざここから飛ぶ必要も無いだろう」
「緋凰様…」
アルバーヌは緋凰を見て、次にレオンに視線を滑らせた。
「……もうお話しは宜しいのですか?」
「あぁ。だが少し用が出来てな。私とレオンは少し出かける。後の訓練は任せる」
「そうですか……了解しました。勇翔君は………」
「あ、僕は…お構いなく。訓練はちゃんとやりますから」
「……すまんな。帰って来たら、君に伝えることがある。楽しみに待っているといい」
「……はい!」
緋凰とレオンは二人を残してトレーニングルームを出た。
「……用事とは、どこかに行くのですか?」
「あぁ。日本の、高城技術研究所にな」
「技術研究所……ですか?では、飛行機を………」
「あぁ、その必要は無い。転送装置を使うからな」
「そうですか。では、連絡を入れておきます」
「あぁ」
レオンはスーツの内ポケットから携帯を取り出して何処かに連絡を入れた。
少しして電話から耳を離した。
「緋凰様、五分ほどかかるそうですが……」
「そうか。準備をしておいてくれ」
「はっ………これから向かう。準備をしておいてくれ」
レオンは携帯をしまった。
二人はエレベーターに乗り込み、レオンが地下四階のボタンを押した。
扉が閉まり、エレベーターが下降を始めた。
「……高城技術研究所には、何の御用で?私も一緒に、とのことでしたが………」