突然自分に降られて勇翔は動揺した。

｢え!あ、はい！｣

勇翔は右手を上に突き出した。

｢召紋破棄!来れ、バロン!｣

するとどこからか雷が落ちて勇翔に当たった。勇翔はバロンを降霊した。

｢雷か…なら君も援護を頼む。｣

｢了解しました。｣

｢行くぞ！｣

弥佳以外の三人が一斉に前に駆け出した。弥佳はその場から矢を放っている。勇翔は走っている途中で天盤を発動した。

｢天盤壱式・雷王剣!!｣
勇翔の回りに雷で出来た剣が浮かんだ。勇翔はそれを男に向けて飛ばした。

｢はぁっ！｣

男は矢を小さな塔が放つ壁で防御し、剣を槍で叩き落とした。

｢く…!？｣

たじろぐ男にまずはレオンが切り掛かった。
｢くッ…!？｣

男はその切っ先をすんでのところで飛んでかわした。だがその先には八洲が先回りしていた。

｢!？しまっ…｣

｢はぁっ！!｣

八洲が強烈なパンチで男を地面に叩き落とした。地面が大きく陥没する程の威力だ。

｢ぐっ、おのれ…!？｣
そこにまた弥佳の矢と勇翔の剣が飛んで来た。

｢ちぃ…ッ!？｣

男はまたそれを防ぐために動けなくなった。そこにまた二人の攻撃が入る。

｢くそ…ッ…!？｣

しかし男と二人の間にまた別の男が入って攻撃を受け止めた。

｢な…お主は…!？なぜここに…!？｣
その男はレオンと八洲を弾き飛ばして勇翔と弥佳に攻撃を放った。そのせいで二人も攻撃を止めざるを得なかった。

｢…何者だ…｣

レオンが剣を向けたまま男に言った。

｢拙者は…アイザック様に忠誠を誓いし者だ…｣

答えたのはの黒いマフラーで口元を隠した、まるで忍者の様な格好をした男だった。その右手には大きな十字手裏剣を握っている。

｢…堂絃殿…勝手な行動は控えられよ…｣

男は後ろの男に呟いた。

｢…済まん…｣

堂絃と呼ばれた男は腕を元に戻した。

｢…任務は失敗だ。帰還しよう。｣

｢…御意…｣