「…う…ん…?」

重いまぶたを開くと横に白いインナ―に腰まで伸びた銀髪の女性が寝ていた。勇翔の手は女性の胸元に伸びている。

「…うわぁ!?」

勇翔は飛び起きた。女性が眠そうに目をこすりながら上半身を起こした。

「うぅぅん…何…?あら勇翔…おはよう。」
「お、おはよう…?」

「おやすみー…」

女性はまた眠ってしまった。

「……はっ!?いやいやいやいや!!!」

勇翔の声でまた女性が起きた。

「うぅぅん…何よ…?」
「何じゃなくて!あなた誰ですか!?」

「う…ん~…アタシよ…ケルンよ…」

「…ケルン…?」

女性はあくびをしている。その頭とお尻にはネコの様な耳と尻尾が三本ある。

「…え…ケ、ケルン…?」

「だからぁ、そう言ってるじゃないの…」

「……」

勇翔はまだ理解できていない様だ。

「…もぉ…何で分かんないのよ…あら…?」
女性は自分の体を見た。

「…あぁ、そうか…これはね、人化の術が発動してるのよ。」

「え、人化の術って…じゃあ、本当に…?」
「うーん…じゃあ、仕方ないわね…」

すると女性が一瞬で煙に包まれた。煙が消えると女性がいた場所に白い毛並みのネコがいた。

「…これで分かった?」
「う、うん。じゃあ、さっきのは本当に人化の術だったんだ。」

「そうよ。でもたまに勝手に発動したりするのよ。」

「そ、そうなんだ。でも、あんなに薄着で戦えるの?」

「えぇ。意識すれば服を着た状態で人化できるのよ。意識して無いと薄着になっちゃうけどね。じゃなきゃこんな術覚えないわよ。」
「あ、はは…そうだね…」

勇翔は朝からドッと疲れてしまった。そこに誰かがやって来た。

「ユウ君?どうしたの?大丈夫?」

それは晶だった。