「詳しくはそれに書いてあるが、レアメタルはやはり最終的にはアリスタン社の元に一括管理されている。潰した組織もアリスタン社の下部組織だった。」
大元帥は話を聞きながらプリントをめくっている。

「…やはりアリスタン社が絡んでいたか…アトランティス程のものを動かせるのは、国連以外にはアリスタン社ぐらいだとは踏んでいたけど…もしかすると、アリスタン社はアイザック達と組んでいるかも知れない…」

「!?そんな、馬鹿な…!?」

大元帥の言葉は憲蔵とユリスにかなりの衝撃を与えた。

「まさか、あのオレイン総帥が…」

しかしグレンは何も言わずに部屋を出ようとした。

「!おい、グレン!」

憲蔵が呼び止めた。

「あいつらが何をしようが関係無ぇ…敵は倒す。それだけだ。」

グレンはそれだけ言って部屋を出て行った。
「…あいつは相変わらずだな。」

緋凰も呆れ顔だ。

「…さて…ガリスはアトランティスの調査を続行しろ。何か分かれば連絡してくれ。」

「了解しましたァ…ククク…」

ガリスはまた不気味な笑い声を発しながら部屋を出て行った。

「…さて、戻ったはいいが…これからどうするか…」

緋凰はヒゲをなでている。

「予定は無いのですか?」

「あぁ。師団員の訓練も今は必要では無いし、また任務では身が保たんしな…」

「…なら、俺の家にいらっしゃってはいかがですか?」

「お前の家というと、師紀の屋敷か…確かに療養には丁度いいかも知れんな。」

「えぇ。それに今あそこにはあいつが居ますから…」

憲蔵は少し含みを持った声で呟いた。








「う…うん…」

朝日差し込む一室で勇翔は布団にくるまり眠っていた。

「う…ん…」

勇翔は寝返りをうった。すると伸びた手が何か柔らかい物に触れた感触がした。