「慈雨、おはよう」

「…海咲、おはよ」


佐倉 海咲(サクラ ミサキ)、私の幼なじみで、一番の親友であり、唯一の友達。

彼は私を全て知ってる

でも、私は海咲が何を思ってるのか、時々わからない…


「慈雨?手ぇ出して?」

「え、なんで?」

「なんでも」

海咲??

急になに?

手……なにかしたっけ…

「んー、じゃあ嫌なら、目ぇ瞑って?」

「わ、わかった…」


海咲のこういうとこ、知りたいのにわからない

とりあえず、目は瞑るけどね。


─…チャリ

首から鎖骨あたりにかけて、なにか冷たいモノの感触

「海、海咲…?」

まだ目を瞑り続けなくてはならないのか、という意味を込めて海咲を呼んだ


……が、返事がない

「海咲??ねぇ、目ぇ開けてもいい?」

「あ、あぁ、うん。いいよ」

海咲キョドり過ぎ

まぁ、それは置いといて、首元の冷たいモノを確認する

「あ……ネックレス…?」

「うん、ネックレス」

可愛らしい小さい見た目とは裏腹に、デザインがかなり凝っているクロスのネックレス

クロスにクラウンがかかっているという、私のドストライクなモノだった