“よかった、楽しみにしてるよ。それから・・・”


『あの、平井さん、そろそろ仕事に戻らないとならないんですけど。』


“ああ、ごめんごめん。あとひとつ、例のヤツだけど知り合いに頼んでいくつかピックアップしてもらったんでPCの方へファイルを送っておいたからね。
じゃあ、そういう事で、近くなったら連絡するよ。”


『はい、ありがとうございます。では、失礼します。』


まだ何か言いたそうな雰囲気を事務的な返答で切ってしまった。
やっぱり余計な情報は話すべきじゃなかったと今さらながら後悔・・
自分の領域に入ってこられるのが嫌で仕方ない。
そう思う時点で彼に対して恋愛感情がないことを痛感してしまう。



『さて、チャッチャと片付けちゃおう・・・』

濃い目のコーヒーを片手にデスクへと戻った。
早く家に帰りたい。