河川敷へ続く緩やかな砂利道をゴリゴリと低速で下っていく。
タイヤに弾かれた小石が、
ビシッビシッと音を立てて車体の底に当たるのがわかる。
「クソッ!」
悪態を吐きながらハンドルをきる彼を盗み見て、思わず苦笑いをしてしまった。
何にイラついているんだか
そんなに嫌なら、こんなトコに来なければいいのに
それでも欲求の方がが勝るんだろう。
行動がワンパターンなのは相変わらずだ。
目的の場所はわかっている。
JR陸橋の橋梁横。
彼のお気に入りのスポットだ。
『あそこ行くの?』
わかっているのに聞いてみる。
「だめ?」
『いいけど。』
その眼差しを向けられると逆らえない。
彼は、いつもと全く同じ場所に車を停め、
満足気な笑みを浮かべて
あたしを見つめた·····
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