帰りの電車の中
えみは鏡を見ながら
つけまつげを直している
「ねー、ゆり」
「うん?」
「私さぁ、卒業したら
ショップ店員になって自分のブランド立ち上げたい」「服好きだしね、センスいいしいいんじゃない?」
「もしブランド立ち上げて服できたら最初にゆりに着てほしい」
「えぇ…ありがとう…」
「実はもう服のデザイン書いてんの、今度見せるね」
「うん、見せてね。期待してる、でも本当ありがとう…超嬉しい」
「えへへ、うん」

「あ、じゃあ行くね」
「うん、気をつけてね」
「えみ、ナンパされてもついてっちゃダメだよ」
「分かってる」

電車のドアが閉まった
窓から手を振るえみは
笑顔だった
えみは夢に向かって
頑張ってる
私も頑張らなくちゃ

別れてすぐにえみから
メールがきた

『横に座ってるおっさん
臭いよー(/∀・)
今日は付き合ってくれて
ありがとね☆
今さっき話した夢絶対
叶えるからね☆』

私はすぐメール保護した

なによりえみの気持ち
が嬉しかったから。

これが高三最初の日。