睡眠不足

栄養失調

過度のストレス

それが重なったん
でしょうね。

夢なのか現実かは

定かではないが

誰かの声がして

目がさめた

「・・・」

「ゆり・・」

「お母さん・・」

眉のシワをよせて

心配げにみている

「私どうして・・」

何で病院にいるんだろう

私確か・・

「ゆり、まだ寝てなさい」

母親は遮るように

寝かせようとする

「・・・わたし・・」

思い出せない

分からない


「何で私病院にいるの?」

「・・・」

看護婦が私から

視線を反らす

「・・トイレ行きたいん
だけど」

「あぁ、そうね。」

母親は私の腕を支え

トイレまで案内した

頭が痛い

思い出せない

「お母さん、今日何日?」

「今日は…8月31日」

「……」


トイレを済ませ

母親にまた腕をひかれ

部屋に帰る途中

待ち合い室の

テレビのテロップに

目をひかれた



公園に惨殺死体

身元判明

県内の18歳女子高生

私は目を反らした

分からないままで

居たかったの

かもしれない。

けれどはっきり

聞こえてしまった

えみの名前。

振り向くと

中学の卒業アルバムの

顔写真のえみが画面に

写っていた。

「いやーーゃーーーやーーーーーーーえみーーー
ーーぎゃーーーーーー」





病院に響き渡る

虚しい叫び

激しい憎しみ

私は命よりも大事な

親友を無くした