「お団子、食べてみたかったんですよ♪」


「ああ、そうかよ…」


俺がいるのは、甘味処。


俺の隣には上機嫌な麗。


「お前…人形(ジンケイ)もとれるんだな」


「そりゃあ、とれますよ。どこから見ても、普通の人間でしょう?」


ああ、本当に人間だ。


宙に浮いていなくて、着ているものも着物。


ただ…ひとつだけ。


人間離れした美貌が、男たちの視線を集めてしかたない。


「お前の子供だからか。翼鬼や天鬼がああいう風貌なのは」


ふと気になって、聞いてみる。


「ああいう風貌とは?」


絶対分かってるくせに聞いてくるとこが…翼鬼と一緒だよなぁ。


いや、翼鬼は無自覚だからこそたちが悪い。


「綺麗っつーか、お前みてぇに人間離れした美貌っつーか…」


「そうですね…強いて言うならばそうなりますね」


やっぱりか…。


あいつらはもう恋仲がいるから、異性から狙われることはないだろう。


だが。


「…お前、ヒマだからって人形とってそこらへんうろつくなよ」


「なんでです?」


なんでって…分かれよ、そんくらい。


「男に狙われるからだよ」


今だって、狙われてるっつーの!!