…俺が疲れたように見えたからここにいるって…。


「お前、神だろ…」


「一応、ですよ。神とか偉そうなこといってますが、正直ヒマなんです」


おいおい、神がヒマとか言ってんじゃねぇよ。


こっちと代わってもらいてぇ…。


「それで地上に降りてきたら…土方様が大変なことになってましたし。…いい加減、一人の人に決めたらいいじゃないですか」


「それができればな…」


俺はいずれ、恐らく戦いで死ぬだろう。


それでなくとも、新撰組副長だ。


「嫁もらったとしても、一緒にいられる時間なんて…そうそうないんだよ」


俺なんかより、もっと一緒にいてくれる男と結婚したほうがいいだろう。


もし好いた女ができたとしても、そう思うと思う。


「もっとも、好きな女なんていないがな」


身近な女は翼鬼だけだし。


翼鬼は娘みてぇなもんだし。


総司の恋仲だし。


だいたい…餓鬼だし。


そして遊女たちはギャーギャーうるせぇだけだしよ…。


「恋なんて、そうそうできねぇよ」


「そうですか。でも、そのうち会えますよ。土方様が愛する女の人が」


「…だといいけどな」


それは遠い未来の気が…しなくもなくもない。