三人は笑いながら、部屋を飛び出していった。


「待てやてめぇらっ!!切腹だぁぁぁあ!!!!」


とか言ってみるものの。


…疲れて追いかける気にもならない。


「はぁ…」


俺はいつになったら平和に暮らせるのだろう…。


京の都を守るために戦う。


それが俺たち新撰組の使命だ。


そのためになら、命だって投げ出そう。


死ぬことは、怖くねぇ。


命を賭ける覚悟だってとっくにできてる。


ただ…でもなぁ…


普通に戦いがないときくらい、穏やかに暮らしてえな…。


騒がしいあいつらが一緒じゃ、ぜってー無理だがよ。


「はぁ…」


また思わずため息をついた。


その時。


「全く…ため息ばかりつくと、幸せが逃げますよ?」


心地よい声が、耳に流れてきた。


翼鬼でも天鬼でもない、それでも安らぐ声。


「……なんで…こんなところにいるんだ」


「あなたが疲れているように見えましたので。…土方様」


にっこりと微笑む姿は、少女のようにも大人の女性のようにも見える。


独特の雰囲気を醸し出しながら宙に浮いているのは…


「…麗」