高1の夏。
あたしには佐野翔太って言う彼氏がいた。
彼の長所は何個でも言えた。
最初の1ヶ月は。あとからは短所ばかり見えてきてそっからはずっと好きと言う感情は消えた。
だから別れた。
これ以上彼を好きじゃないまま付き合うのは良くないと思ったからだ。
彼はあたしに何度も何度も何度も″好きだ″と言った。あたしはいつも曖昧な返事しか出来なかった。
でも、あたしが別れを切り出すと彼は笑って言ったのだ。
「本気だと思ってた?」
って。
その夜、あたしは泣いた。涙が止まらなかった。
彼があたしを好きじゃなかたって言うのがつらかったとか悲しかったとかそう言うんじゃなくて……
悔しかった。
だまされた自分が馬鹿みたいでアホみたいで悔しかった。
あたしは最初、本気で彼を好きだった。
でも彼は最初から好きじゃなかった。
ああ…馬鹿なのはあたしだったって。
このことは美希にはいわなかった。きっと言ったら美希は怒る。
あんな人の為に美希が怒るなんて馬鹿馬鹿しいじゃん。
だからいわなかった。
結果的にあたしは騙されてたんだ。
だからと言って恋愛をしたくないって言う気持ちには直接結びつかないけど。
まあ多少なりとは怖いきもちもある、誰かを好きになる気持ちに。でもそれより…自分が怖い。
直ぐに冷めてしまう自分がいる。
最初は凄く好きで好きで溜まらないのに…なんで冷めてしまうのだろう。なんで短所にしか目がいかないんだろう。
短所も好きになるのって難しいのになんで周りのカップルはそれが出来るんだろう。
あたしには向いてないのかも知れない。
ー…恋愛と言うものが