「男と寝るのは初めてじゃない。」


ばつが悪そうな顔にフツフツと湧く嫉妬心。



あぁ~
バカだなぁ、俺。



拒んでいるのに無理矢理訊くなんて、しなければよかった……



俺はそうか、としか返事できずにいた。

弁解なんてしないで、ただ心配そうな目で俺を見ている霞澄に、俺は何て言えばいいのかわからなくて……


「…悪い…先に寝る…」



親父から言われた初夜のこととか、霞澄の不安そうな表情とか、そんなの考えられなかった。


布団に潜り込み、冷静になろうと、冷静に考えろとゆっくり心を落ち着かせると、何でこんなにショックを受けているのか不思議に思った。