早く仕事を終えて急いで家に帰った。


まぁさんもいつもより早く帰ってきていた。


『た・だ・い・ま』

まぁさんが玄関先で莉亜を抱き締めた・・・


『いたいよっ』

「ごめんっつい嬉しくて」

まぁさんは優しく莉亜のお腹に手をあてた。

凄く嬉しそうな表情をしてる。

何度も何度も莉亜のお腹に手をあててくれた。



二人はもちろんこの子を産む事しか考えてなかった。

莉亜は自分のお腹に新たな命があることにまだ実感はなかったけど嬉しくてたまらない


その夜布団に入って莉亜はお腹手をあててみた。

さっきまで嬉しい気持ちだけだったのに苦しみが湧いてきた


この子は産まれてきたら幸せになれるの?

こんな借金抱えてこの子をどうやって育てていくの?
まだ未成年で子供の私に子供を育てられるの?

考えていくと不安ばかりが頭を駆け巡る。


大事な“いのち”だけど育てていく環境も大事な事だから


この子には同じ思いをさせたくない。

借金に苦しめられてきた莉亜はこんな思いを我が子にさせたくはない。


莉亜はどんどん不安になっていく

横に寝ているまぁさんの顔を見たら涙が溢れた。