そんな辛い過去...

俺は何を...

「俺、何にも知らないで...。」

「いいの。あたしも誰にも言ってないし。」

親の愛情...

家族...

今までの俺にとって当たり前だったことが、こいつにとってはすごいことなんだ。

「夕飛。帰ろう?」

「・・・。」

「夕飛はあたしたちの家族。ひまわり園はあたしたちの家。一緒に帰ろう?」

俺の家族...

俺の家...

「おぅ。」

俺はあいつに連れられて、ひまわり園へ帰った。

「園長先生。夕飛、連れて帰ってきたよ!」

「夕飛!無事でよかったわ!心配したじゃない。」

園長先生はそう言って俺を抱きしめた。

それが妙に落ち着いた。