俺は勝手に携帯を取り、アドレスを交換した。

「よし。これでOK。」

「あんた、なんなのよ。」

「森川夕飛。お前のダチだよ。」

「は?ダチってバカじゃない。
くだらない友情ごっこなんか興味ないって言ったわよね。」

「いいんだよ。とりあえず。」

俺はこいつに、哀奈に興味を持った。

哀奈はすべてを諦めてる。

昔の俺と同じだ。

孤立して、1人でいることを望んで。

誰かと無意味に関わろうともしない。

笑うこともしない。

すべてに絶望していたころの俺と同じ目をしてるんだ。