追いかけて来ない…
歩いてカーブを曲がったら、和真の車は見えなくなった。
…和ちゃんのイジワル!
…和ちゃんの変態!
…和ちゃんの…
もう…悪口が思い付かない…
かっこいいし、キラキラのモテモテだし、歌は上手いし、ギター弾くし…
極々、たまーーーに、優しくて…
病的なほどの、やきもち焼き…
「どうすんのよ…… 和ちゃんのバーカ!」
そう声に出した時、前から来た四駆が私の横で止まった…
屋根にはサーフボードが乗っかってる。
『お姉さん、ずぶ濡れでどうしたの?』
運転席から助手席の窓を開けて男が話かけてきた。
私は止まらないで、無視して歩き続けた。