明け方の海岸線。
和真とドライブ。

雨の海も悪くない、
そう思ってた。


海辺のドライブの約束を言い出したのは、和真の方。
それなのに、雨のせいか、寝てないせいか…
和ちゃんは今日会った時からずっと不機嫌。

「…なにか怒ってる?」
『別に。怒ってへん。』

嘘。
信号待ちで止まっても、チラッとも私を見ようとしない。
ひたすら前を見て、黙々と運転するだけ。

「やっぱり怒ってる。」

私も前を向いたまま、聞こえるように呟いた。


『ほんなら、昨日の夜何してた?』

昨日の夜…?

昨日は仕事がなかなか終わらなくて…
遅くまで残業して、まっすぐ帰った。
それだけ。
和真にもそのまま答えた。