抱きしめられてた体が離れたと思ったら。

『…ずっと気になってんねんけど、』
和ちゃんは腕を伸ばして、テーブルの向こう端にある、うちわを手に取った。


『なんで! 橋本やねん!!』

そう言って、笑顔の橋本くんがプリントされたうちわを、思いっきり遠くに放り投げた。

それから、私を今度は後ろからギュッてした。
私の肩にあごを乗せると

『この俺が…
世界で一番サービスしてんのは、誰か知ってる、やろ?』って…