その日の真夜中。

部屋を訪ねて来たのは…和真。


『お前、なんで居んねん!
ビックリしたやろ。』

そう言いながら、つかつかと上がり込んだ。
迷わずソファに座る。
そこが私の部屋を訪れた時の、彼の指定席。
後ろを着いて来た私は、隣に腰掛けた。

和真はいつもの通り、ガラスのテーブルに外したアクセサリーを全部並べた。
肌に付けてると、落ち着かなくてリラックスできない、って前に言った。

私は、和真の細い腰に腕を回すと…胸に顔を埋めた。

「友達が
『コンサート、面白いから一度行った方がいいよ。』
って…」

私と和真が付き合ってることは誰にも内緒。
その友達が、和真たちのグループの名前を出したのは偶然だった。


『甘えても許せへんよ。』

和ちゃんは私の肩をつかんで、押し戻した。

『何か魂胆あるやろ?』

至近距離で見つめられて…
嘘はつけない…