くだらない。



あたしはもう1回寝ようと机に突っ伏した。


そしてまたうとうとしはじめたとき、なにか視線を感じた。


あたしは気になって顔をあげる。



「ぎゃっ!」



あいつの顔が視界いっぱいに広がった。



「どーした?上野ー。」


「なんでもなーい。」



ブーちゃんに聞かれてあたしは愛想笑いをして言った。


そんなあたしの目の前では桐原翔が一生懸命笑いを堪えてる。



わらいたかったらわらえよ!



あたしがムッとしていると、



「華奈…ただいま。」



え…



「翔…くん?」


「ん。」


翔ちゃんは優しく微笑んで頷いた。



「会いたかったー!」



ギュッ。



なにがおこってるの?



一瞬、あたしはどうなっているのかわからなかった。


少したってから、翔くんに抱きしめられていることに気づく。


あたしは恥ずかしくなって、顔が赤くなっていくのがわかった。



「…ずっと待ってた。遅いよ。」


あたしはがんばって落ち着いて返事をする。