チャイムが鳴って席につくと担任の細川が教室に入ってきた。


細川は通称ブーちゃんとよばれている。


苗字は細川なのになんで?!と思う人もいるかもだけど、ブーちゃんはかなり太っている。


しかも身長は低いからなおさら(笑)



「きりーつ。きをつけ。れーい。」


「「「お願いしまーす。」」」


「ちゃくせーき。」



あー。


またダルイ一日がはじまった。



ブーちゃんが何か話し始めた。



またくだらないことでしょ。



そんなことを思いながら眠ろうとしたとき、、、



「「「きゃーー!」」」



クラスの女子ほとんどが叫んだ。



うるさ。


これじゃ眠れないじゃん。



「えー。今日からこのクラスに転入してきた“桐原 翔”だ。桐原、かんたんに自己紹介してくれ。」



“桐原 翔”!?


もしかして…



あたしは気になって、その転校生のほうへ顔を向けた。



見た感じは、ひと言で言うと「チャラ男」だ。


でもイケメンだとは思う。


みんなが騒ぐのもわからないことはない。


でもその前に、あたしが気になることは、"桐原 翔"があの"しょうくん"なのかどうか。


でも小さいときの見た目とは全然ちがうし。


同姓同名なだけかも。



「桐原 翔でーす!よろしく☆」



桐原翔が自己紹介した瞬間にあたしは確信した。



こいつはあの桐原翔じゃない。


あたしの待ってるヤツじゃないと。



「桐原の席は…上野の後ろだな。」


「はーい。」



さいあく…


あんなヤツがあたしの後ろの席なんて、しんじらんない!



まわりからは「上野さんずるーい。」「いいなぁ。」とかいう女子の声が聞こえてくる。



そんなにこいつの近くの席がいいなら喜んで変わってあげるよ。