…うそでしょ。


あたしの唇から翔くんの唇が離れる。


あたしはすぐに自分の唇を制服の袖で拭いた。


ゴシゴシと唇が切れるくらいに。


そして翔くんを睨みつける。


すると翔くんはこちらを向いて、ニヤリと笑いながら唇を舐め、


「ごちそーさま。今度はもっと深いやつもらうから。」


って言った。


し…信じられない!


人の唇を勝手に奪って、またする気でいる。


もう絶対に翔くんの前では油断しないんだから!


パンッ!!


あたしは翔くんの頬に思い切りビンタをした。


「さいってー!」


そう言ってはしごを急いで降りる。


やだ。


なんで?


翔くんはあんなにひどい人じゃなかったはずなのに…。