おそらく、本人にしてみたら特に意識した言動ではなかったのだろう。

それでも困ったことに、私は彼の口から発せられた“俺ん家”と“初めて”というワードに、ドギマギとしてしまう。


なんというか、このままここで、わあああああ! と叫びながら転がりまわりたい。そんな気分だ。

ようやく彼氏の家という今まで縁のないこれまた慣れない、未知の空間にも順調に溶けこみ馴染み、すっかりと忘れかけていた緊張感が……よみがえってしまった。

もう緊張感マックス、今日も今日とてご健在である。


もしそれを効果音にするのなら『…ハッ!』。

きっとそんな感じだ。ついでにシュッシュッと中心に向かっての効果線も欲しいところだ。


とりあえず年甲斐もなくソワソワとしてしまう。とにかく落ち着かない。