チャリ、と音を立てながら鍵を掲げてみせる彼に、せっかく訪れたチャンスを逃すまいとコクコク一生懸命首を振り切れんばかりに縦に振れば。 「来いよ」 低くて渋い、甘やかな声があたしを促す。 あたしは甘い甘い蜜に誘われた無垢な蝶のようにふらりふらりと立ち上がる。きっともう、抜け出せない。そこは極上の甘い罠。これは禁断の蜜の味。