まあ、その時はその時でいい。追い払われたり拒絶をされない、今が重要なんだと思う。そう、思いたい。そう思うことにしよう。
というか叱られることにさえ愛を感じ、年甲斐もなく嬉しさを感じてしまう…なんて言ったらきっと、呆れられてしまうだろうから黙っておこう。そうしよう。
「上がってくか?」
スッと細まる目元にできる笑いジワが卑怯だと思う。
ずるいんだ。彼が重ねた年齢を思わせる、深みというか、奥行きというか──隠すことができずに滲み出ている渋さがこう、たまらないのだ。いとおしい、くるおしい。もうよく訳がわからない。すきだ。だいすきだ。