だからこそ日付の変わった真夜中に無性に会いたくなって、そう思ったらもうどうしようもなくって、居ても立ってもいられなくって、アポ無しにも関わらず残業明けの彼の帰宅を待つことさえできてしまったのだ。


ひとりぽつんと玄関前でしゃがみこんで、あたしはまるで主の帰宅を待ち構える忠犬のよう。

なーんて、これは折れそうなあたしの心を慰める言い訳にしか過ぎない。


おそらくこの件については、忘れた頃に後からこってりと絞られることになるのだろう。(「いいか? 大体だな、お嬢さんは危機感というものが――」云々。)