執拗に絡みつく指を振りほどけないのは、そこから入り込む熱が手放せないからだ。

と、一応の弁明をしておく。

他意はあるが深い意味は無い。これも一応主張しておく。


大の男が背の低いあたしに合わせてしゃがんだりするから、あたしは必然的に彼を見下ろすことになってしまう。


その異観ぶりに図らずとも眉間に皺がよる。

が、彼はあたしの些細な表情の変化など気にも留める素振りを見せない。

それどころか、くるくる変わるあたしの表情を愛おしいと言わんばかりに澄んだ濡れた瞳をきらめかせる。


目の毒だ。美しすぎるというのも考えものだ。そう思う。