ほぼ無意識に助けを求めて見つめ返した瞳は、私が二の句を継ぐことを当然とばかりに無情に煌めいている。


逃がさない、と言外に訴える強い眼差し。


射抜くようなそれがすきだななんて思っていたのは果たしていつのことだっただろうか。

ほんの少し記憶を辿るだけで瞬く間にどうしようもなくしんどくなって、私は短い呼吸とともに視線を横に逸らしていく。

と。

頭上から、チッと隠すことなく盛大な舌打ちをばひとつ、浴びせられた。


その音の出処を窺うように見上げれば、一本の線で引っ張られてしまったかのように視線が逸らせなくなる。

上目で見るには高すぎて、微妙に首を上向けるというなんとも中途半端な角度で、私は彼を見上げることになった。