薔薇の花びらのように真っ赤で瑞々しい唇、噛みつきたいと思わせるぽってりと肉厚のそれ。

優しく食まれるのもいいけど、彼の誘うような唇にはやっぱり、ちょっと勇気をだして自分から噛みついてみたい、と。そう思う。



「俺の気は長くないって、知っているでしょう?」



聞くなら今だよ? と、私を試すかのようにゆったりと、唇が意地悪く弧を描く。

ふわっと花が匂うように蠱惑的だ。ゴクリと、喉が鳴る。