「私はクロエ。


この店で店長をしている。


それで、今日はどんなご用かな?」


微笑をうかべ、頬ずえをつきながら問うクロエ。


「え~っと…特に用は…」


「そうか、それなら良いものをお見せしよう。


来てくれた礼だ」


そう言いながら取り出したのは、小さなオルゴール。


木製で、バラの形に彫られた蓋が気品を漂わせている。