暑いのに黒いスーツを着込んでいる。


「さぁ、お入りください」


にっこり笑った顔からは、青年というより少年という印象をうけた。


その笑顔に吸い込まれるように店の中に入る。


「店長、いらっしゃいましたよ」


「…うむ」


ゆらゆらと揺れる揺り椅子から立ち上がったのは…


「こ、子ども!?」


身長140センチくらいの金髪の少女。


左右に広がる黒いドレスには、繊細なレースがふんだんにあしらわられ、少女の小さな体を包んでいる。


ムッと、紫色の瞳が深みをます。