叩かれた頬が赤く腫れて、顔を濡らすとじわじわ痛む。


その傷は今日のケンカをしっかりと刻みつけるように、痛む度に最後の愛結の顔と


「あんたにあたしの何が分かるっていうの!!」


という言葉を思い出させる。


何も分からないよ…


幼馴染みで、小・中・高と同じでずっと一緒に過ごしてきても、今の愛結の気持ちだけは、全然分からないよ…


落ち着いたオルゴールの音色が、私を現実に連れ戻してくれた。


聞き慣れたメールの着信音。


差出人は…