今は行かせられない。

・・・

遥斗に、

あの光景は、見せたくなかった。


瑠璃が好きな遥斗には絶対に。



「お願い、今すぐ送って」

遥斗の顔を見つめて、

哀願した。


・・・

「体調悪いのか?」

私はコクンと、頷いた。


「わかった。乗れよ。

送るから…」

私の頭を撫でた遥斗は、

助手席のドアを開けて、

私をのせてくれた。