いや………笑っていたと言うよりは―――


「あの人……お金に困ってるみたいだ。早く和音ちゃんをこの家から追い出して、家を売るつもりなんでしょ。」

「…………ぇ」


――――その言葉に
自然と心拍数が上がる。


――信じられない……本当にそうなの?
私と、お父さんとお母さんが住んできた大切な大切なこの家を………
そんな理由で売ろうとしているの?



何も言い返す事が出来ない代わりに
涙が零れた。