あんなに電話が通じなく、連絡を待っていた相手から
こんなにあっさり電話がかかってくるものなのだろうか?



『こんな時間にすまないね。・・・少し話があるんだ』




ーーー話があるのは私の方だ。


伯父のまったくいつも通りの感じに怒りを覚えたが
高瀬さんが寝ている。



必死に怒りを抑えた。


「・・・・・・分かりました」


そのまま上着を羽織って外に出た。
12月だし、寒いのは当たり前。
ここに長時間いたら風邪をひいてしまう・・・



『実は俺、今刑務所にいてね・・・』


「ーーーーは?」

『ちょっと会社のお金使っちゃったの、ばれちゃって』



ははは、という笑い声が受話器越しに聞こえる。

・・・笑い事、かよ。