六月に入った頃
初めて授業に出た。


本田先生の授業が見てみたくなった。

何でかって言ったら
こんな事を話したから。




「私さ、どうしても教師になりたかったの。」


「・・・はぁ」


いきなりそんな事をいってくる先生に、俺は興味なさげに返事をする。



「ちょい!!いいから聞きなさい。ーーー私も高瀬くんみたいによくサボってたんだけどね?その時担任の先生が言ってくれたの。"今を無駄にしたら一生何も守れないぞ"って。」



「・・・ふーん」

「その時は、そんな綺麗事馬鹿みたいって思ったんだけどさ。確かにそうだなーって思うよ。ーーーだから同じこと高瀬くんに言う。結婚、できないぞ?」



「ーーーそれってそういう意味なの?」


いや、違うだろって心の中で突っ込んだけど
何故かこの会話のせいで授業に出る気が湧いてきてしまった。