彼女に振られたとか、そもそもどの女が彼女なのかも分からねーし。


何と無く全てが面倒くさくて
無理やり目を瞑る。





気持ちのいい四月の風に吹かれ、ようやくうとうとし始めた頃


いきなり屋上のドアが勢いよく開いた。



「こらっ、サボってないで授業に出なさい。」


渋々振り返ると、見覚えのない女の教師が腰に手を当てて呆れ顔で立っていた。


「ーーーーー誰。」


「はぁ?私あなたの副担任。真面目に言ってるの?」


至って真面目だ。

三年になって以来一度も教室に行っていないのだから担任の顔はおろか副担任の事なんて存在すら知らなかった。