「じゃあ今、和音の家には別の人が住んでて、和音は大学生の高瀬さんの家に住んでるってことね?」


「そう、です。」


話しを始めること三十分。
目の前の鼓乃実は一度も笑うことなく淡々と私の状況を整理する。


「んで?伯父には結婚を強いられ家を売り飛ばされたと?」

「いえ・・・それはまだされかけてるってだけでありまして・・・」


想像はしてたけど
思った通りの鼓乃実のこの冷静な怖さに、思わず敬語になってしまう。


高瀬さんは宣言通り、私達から離れた所でじっとやり取りを見ていた。