「これとこれなんかどうですか??」
一着はノーマルな紺色だったが
もう一着は・・・何故か白色だった。
「・・・これを着ろと?」
「高瀬さんって何でも似合いそうだから、白とか着たら王子様見たいかなーって」
「・・・」
王子様って・・・
これが和音の"素"なのだろうか。
「冗談ですよ!でも、実習ってことは髪とか黒くしたりするんですか?」
「面倒だし、しないよ。まぁでも内定貰ったらしなきゃだけど。」
「そっかぁ・・・黒髪、絶対恰好いいですね!」
今までが嘘のように自然に笑顔を向ける和音。
でもそれは、たった数時間の事だった。
———少しでも傷が付けば一瞬で元の彼女に戻ってしまう。