「ごめん、言わない方が良かったよね。」


完全に動きを止めてしまった私を見て、心配そうに鼓乃実が言う。

これ以上
鼓乃実に心配だってかけられないんだし。


「そんな事ないよ!ごめんね」


———いつまでも、前みたいに西野の事でグダグダ悩んでなんかいられない。
時間は充分すぎるほど経ってるんだし、
今更掘り返したらいけない。


うん




前を向こう。