全く迷惑そうな感じを見せない和音に安心しながら電話を切った。



もちろん、
隣の男は今のやり取りを飽きれた顔付きで見ていた。

「お前さー、家でどれだけ和音ちゃんコキ使ってんだよ。」

「・・・」

コキなんて一切使ってないつもりだ。
———いや、使ってるのか・・・?

今日の事は本当に悪かったけど。


「俺、お前が女の子に優しい所って絶対想像できねーっ!!」

「うるさい。」


短く、そう言い放ち
午後の講義の準備を始めた。