覗き穴からは何も見えなかったが、とりあえずドアを開けた。

その瞬間驚愕した

妖怪がいたのだ
フリフリが全身についた妖怪が。

驚く俺を無視して妖怪は口をひらいた
『荷物、持って。ドア、開けといて』

訳がわからない俺は
なぜか言われるままにドアを閉まらないよう固定して荷物を家の中に運び入れていた



段々と頭がようやく起動をはじめたのかはっきりと覚醒したと同時にフリル妖怪の手を掴み声を荒げていた

『ってかさお前誰だよ!?』

しかし
身長の小さなフリル妖怪は直ぐさま俺の腹に厚底の靴で蹴りを一撃喰らわせて来た

うずくまり腹を抱えていると妖怪の後ろに見慣れた顔がある事に気付いた

『康介なにやってんのよ』

のんきに口を開いたのは


俺の母さんだった

『訳わかんねえ…腹、蹴られたんだよそこのちびに』

フリル妖怪に指を向けた