「じゃ、…じゃあ、この問題を解いて?」

恐る恐る喋る言葉に机に向かってる葵君はすごく不機嫌そうだ。


すごくやる気がない…。


うぅ…。勘違いだとはいえ、彼を怒らせてしまった。
あの日から何度目かの勉強時間。



けれど、怖い。彼から放たれるオーラが禍々しい…。
やりずらいよぉ…。



「出来た」

「ぇ? あ、はい。じゃ、答え合わせします…」

「……なぁ、うっとおしんだけど」



「はぃ?」


突然、何を言われているかわからず、キョトンと葵君を見つめる。

クリクリとした大きな瞳の葵君を見ちゃうと、吸い込まれちゃいそうなものを感じる。


「これ。邪魔」
「…ぃたい…」

引っ張られたのは私の長い髪。

高校に入った時から伸ばしていた髪を葵君は、邪魔と言って引っ張る。